AIに小説は書けるのか?
そんな問いに終止符を打つべく、1ヶ月で350ジャンルの物語を生成するという無謀なプロジェクトを始動しました。
初回となる今回は、執筆AIにClaudeを起用。生成された10作品を読み込み、面白いと感じた「神作」から、正直「味気ない」と感じたボツ寸前の作品まで、忖度なしでレビューします。
執筆作品ラインナップ(全10ジャンル)
まずは、初日に生成した10本のバリエーションをご覧ください。
- SF・ダーク系: 『地球人は、まだ生きていた』『記憶削除係』
- 異世界ファンタジー系: 『転生したら、推しの中の人だった件』『召喚された俺と、魔法が使えない魔女のこと』
- 恋愛・青春系: 『好きって言えない理由が、百個ある』『君の声が、まだ耳に残っている』
- ヒューマンドラマ系: 『お母さんの作るご飯が、一番嫌いだった』『君が笑うから、僕は嘘をつく』
- BL・ブロマンス系: 『君の左側、いつも空いてる』『君の声が、まだ耳に残ってる(別視点Ver)』
【ベスト作品】AIが「人間を超えた」瞬間
10本を読み比べた結果、圧倒的な没入感を見せたのはダーク・SF系統でした。
記憶削除係(ダークSF)
「記憶を消しても、身体に染み付いた『感情の残滓』だけは残る」という設定。そして、それを消去する二次介入……。論理的な整合性と、ラストの「自分自身の記録にアクセス制限がかかっている」というメタ的な恐怖は、AIにしか書けない冷徹な美しさがありました。
地球人は、まだ生きていた(本格SF)
「足の裏の角質」という、極めて具体的な肉体的違和感から真実をあぶり出す。Claudeの持つ「高精細な観察眼」が、SFという枠組みの中で見事に爆発した一作です。
【検証結果】恋愛・BL系に見られた「味気なさ」の正体
一方で、BL系やヒューマンドラマ系には課題も残りました。
- 予定調和の罠: AIは学習データから「一般的で美しいとされる回答」を抽出するため、放っておくと「切ないけれど、最後は少しだけ前を向く」という既視感のある結末に収束してしまいます。
- 「毒」の欠如: 特に男性筆者の視点から見ると、執着心や泥臭い感情のぶつかり合いが「浄化」されすぎており、エンタメとしてのフックが不足しがちです。
専門家による客観的スコアリング
ハルシネーションを排除し、現在のAIライティング市場における水準で評価しました。
| 評価項目 | スコア | 理由・分析 |
| SF・設定構築 | 92点 | 論理的な穴がなく、伏線回収の精度が極めて高い。 |
| 情緒・恋愛描写 | 65点 | 美しく整いすぎている。不条理な執着心が足りない。 |
| 文章の解像度 | 88点 | 「だしの素の匂い」など、五感に触れる描写が優秀。 |
まとめ:350ジャンル走破への戦略
初回の検証で、「AIはルール(設定)がある世界には滅法強いが、理屈を超えた感情(恋愛・執着)にはまだ殻がある」ことが明確になりました。
まずは現在の「3種類の固定プロンプト」で全350ジャンルのベースラインを書き出し、傾向を読み取ります。早い段階で「似たり寄ったり」が増えてきたジャンルから、順次プロンプトに「予定調和を破壊するスパイス」を注入していく予定です。
AIは本当の「執念」を書けるようになるのか。この実験の行く末を、ぜひ見守ってください。

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